12月20日(木) 都市と地方の税収格差の是正策として、税制の抜本改革までの暫定措置として、都の法人事業税3000億円程度を地方へ回すことが決まりました。高島なおきも、自民党都連に設置された「東京の財源を守るPT(座長中川雅治参議院議員)」の一員として議論に加わったところですが、この間の経緯なども踏まえると、今回の暫定措置は、多くの課題を残しはしましたが、取りあえずの結論が出たものと認識をしています。
そもそも、地方財政の困窮は、三位一体改革に伴い5兆1000億円もの地方交付税を削減したことに起因しています。更に時の総理が行政改革の名のもとに、地方が財政的に自立できる土壌を育まないまま、公共事業は悪とのレッテルを貼り、地方が苦しんでいる事実を覆い隠して、公共事業を削減したことが、それに拍車をかけたものであります。特に残念な事は、そうした事実があるにもかかわらず、多くの国会議員が、参議院選挙の惨敗の原因が大都市と地方の格差だとするなど、問題の本質を変えているように思えてしまうことです。
今回の議論は、財務省案、総務省案、そして自民党都連が提出した、税の仕組みを変えすに税以外で対応する方法の3案を軸に進められました。そして、最終的には12月11日の福田総理と石原知事とのトップ会談により決着をみました。その間、12月7日には、与謝野衆議院議員、石原都連会長、中川参議院議員、内田都連幹事長、高島なおきが直接石原知事と調整をして、トップ会談への道すじをつけたところです。そして結果的に、消費税を含めた抜本的な税制改革を行うまでの期間に限定して、東京都の法人事業税3000億円を財政難の自治体へ回ることで決着しました。
この間の経過の中で、東京都にとって最も大きな収穫は、国と都が都政の重要課題を協議する機関を設けられることではないでしょうか。この機関では、たとえば、2016年の東京オリンピック招致、3環状道路の建設促進等、国が首都は東京であると改めて認識したうえで、日本をリードするために東京がなすべきことと、そのために国が最大限協力することを協議していくことになります。東京は、この機関を形骸化させず、日本、東京にとって大きな前進もたらすものにしていかなければならないと思います。
今後、今回の暫定措置を収束させる抜本的な方策を講じて、都市と地方の格差が解消されるよう、政府が責任を持って行動することを、地方議員の一員として目を離さず追っていきたいと思います。